物件の売り方

  1-1.価格査定

価格査定とは、この物件はいくらくらいで売れるかということを、不動産屋さんが市場の動向や自身の経験を元にアドバイスとして提示することです。
私が査定に行くと、こういうことを言う売主様がたまにいらっしゃいます。

「一番高い査定額をつけた不動産屋さんに任せる」

売主様が不動産屋さんに【買取】を依頼して買取価格の提示を受けたなら、これで間違いありません。
一番高い買取額を出した不動産屋さんに、その価格で買ってもらえばいい話です。
一般的に、買取の場合は市場価格の5~6割くらいになります。
その代わり、すぐに手元にキャッシュを用意できるという利点があります。

この【買取】については、3.買取とはで詳しくお話します。

しかし多くの場合、売主様が求める価格はこの買取価格ではありません。
市場に出したらいくらで売れるか?という価格を知りたいですよね。

ここでの不動産屋さんの本音はこちら。
「なんとか自分が専任で預かりたい。預かって時間が経ってから値段を下げてもらえばいい」
(このあたりは 1-3.媒介契約の締結 で詳しくお話します)

地方都市の不動産の価格は下落傾向です。
特に景気がいい時にご購入された方からすれば、今の価格は信じられないかもしれません。
しかし、これを正直に売主様にお話すると嫌われてしまうのではいかと心配になります。
このため、不動産屋さんは市場より高い価格を提案しがちです。

でもよく考えてみて下さい。
これはあくまでも「これくらいじゃね?」と提示された金額に過ぎません。
その価格で売れる保証などどこにもないのです。
ここでさっきのセリフ。

「一番高い査定額をつけた不動産屋さんに任せる」

いかがでしょう。ちょっと危ない気がしませんか?
体操やフィギアスケート等、スポーツの点数競技なんかを考えてみて下さい。
5人の審判が出した点数で、最高点と最低点を除外した上で平均を取ったりしますよね。
他と比べてあまりにも高い価格を提示される場合は、逆に要注意と考えるべきかもしれません。

いずれにせよ、不動産屋さんの提示する価格はあくまでも参考価格であると捉えるべきです。

1-2.売出価格の決定